2016/10/240 Shares

ブログ記事を書けない自分の背中をぐいっと押してくれる本|文章は写経のように書くのがいい(香山リカ)

本書は、著名な精神科医である香山リカさんによる「自分のために文章を書く方法」の本です。

「自分のために書く目的や効用とは、一定のリズムで言葉を紡ぎ出すことにより、心のバランスを取り戻し、あわよくばその中で気持ちも整理しよう」

自分のために楽しく文章を書こうよ、という趣旨のもと、そのためのコツや方法がたくさん紹介されています。中心となるコツは、写経のように一定のペース、一定の時間で書き続けること。

これを読むと「文章を書こう」と思えてくる、ブログ記事を書きたいけどなかなか書けない人の背中をぐいっと押してくれる本です。 アマチュアブロガーさんにおすすめの一冊です。

 


内容紹介

目次
1章 そもそも何のために書くのか
2章 「何を書くか」の見つけ方
3章 どう書けばいいのか1 一定のペースで書く
4章 いつ書くのか
5章 どう書けばいいのか2 細切れに書く、ひな型を使う
6章 文庫本の解説を書く!
7章 文章は写経のように書くのがいい
8章 カルテ書きから学んだ「効果的な書き方」
9章 小説家タイプ・評論家タイプの書き方
エピローグ すぐれた文章は実用的

 

自分のために「自己完結型」の文章を書く。

著者は、まず「1章 そもそも何のために書くのか」において、文章を書く目的を「自分メディア型」と「自己完結型」に分類し、どっちに進むべきかで方法論が違うと説明してます。

「自分メディア」となって人にウケる文章を書くか、それとも自己完結型の書き手となって自己の充実を目指すか。まずそれを選択し、「やはり自分のために書きたい」となったら、そこからじっくり書きたいことを吟味していかなければならない。

「自分メディア」の代表例としてベストセラー連発の勝間和代さんや、自分の旅を俳句にして後世に残した松尾芭蕉を取り上げてます。

そして、みんながみんなベストセラー作家になりたくて文章を書くのではない、文章を書く本来の楽しさや意味は、「自分のために書く」という自己完結型のほうにあるのではないかと言っています。

ちょっとしたことを書いて、これまで誰にも言えなかった内面を表現することで、気持ちを整理して自分を磨きたい。もしできたら、そこから新しい発見や明日につながる発想を得たい。もちろん、そこで自分の書いた文章に誰かほかの人も共鳴してくれたり感動してくれたりすればもっとうれしいが、それは一般の人たちが文章を書くときの最大の目的ではないだろう。

 

写経のように「自己完結型」の文章を書こう

2章以降は、自己完結型の文章を書くための方法論がいろいろ紹介されてますが、一貫したポイントは「写経のように書く」こと。写経のように書くとは、簡単に言えば、とにかく一定のペースで日々、一定の時間、書くことを続けるというもの。

写経の何が良いのかは以下の引用から理解できます。

写経を書くまでの過程が、心の癒しになる

写経では、なるべくペースを変えずに無心に書き写すことが重要視されている。

 「内容にあまりこだわらず、一定のペースで書くことで心が落ち着く」という写経は、私たちが文章を書くときにもおおいに参考になるだろう。

そして、具体的な方法として、自由連想方式とか、病院における紹介文とか、カルテの記載するときのSAOP方式とか、いろいろ紹介されてます。

どれも文章を書くときに参考になります。

【感想】ブログ記事を書けない自分の背中をぐいっと押ししてくれる本

私は、ブログ記事を書けるとき、書けない時の波が大きいです。一定のペースで記事公開できてませんし、いざ記事を書き始めたとしても一定のペースで書くことができません。

一定のペースでブログ記事を書けない理由

自分ははなぜ一定のペースで書けないんだろう?

  • 2000字以上とかの大きな記事を書かないといけないというプレッシャー(字数が少ないのはSEO的に不利)。
  • 脱線する。書きたいことが何だったかわからなくなる。
  • 記事の内容に自信がない。わざわざ書くほどの価値がないと思ってしまう。
  • ブログの見た目が気になり、カスタマイズをやろうとする。
  • 広告の位置とか、タグとかを気にしすぎ。
  • 書いた後の人の反応を気にしすぎ。

記事を書いていると、プライド、羞恥心、いろんな恐怖、打算的な言い訳など雑音、自分を邪魔するものが現れてきます。

試験勉強しないといけないのに、本棚の本の位置が気になり、とりあえず本の整理を始めてしまう、そんな自分を感じます。本の整理は、目の前のことから逃げるための口実にしかならないんですけどね。

 

一定のペースで書けない=思考が淀んでいる

一定のリズムで書けない場合は、その文章は捨てる。
思考がそこで淀んだり後戻りしたりすると、結局は書くことが自分のためにもならないし、読む人を楽しませることもできない。

自分のために書く目的や効用とは、一定のリズムで言葉を紡ぎ出すことにより、心のバランスを取り戻し、あわよくばその中で気持ちも整理しよう、ということ。

本書では、一定のリズムで書けない場合は、自分のためにも人のためにもならないと書いています。

なるほど、自分のためにも人のためにもならなんだ!!

そう言ってくれると「あっ、淀んでるな。よし、今からは楽しんで書こう」と気持ちを切り替えれます。

 

なので、↓こう考えることにしました。

  • 一定のペースでかけいないときは、思考が淀んでいるとき。
  • 思考が淀んでいては、自分のためにも人のためにもならない。
  • そんなときは、なんのために書いているかを再確認する。
  • 自己完結型と言い聞かせ、とりあえず記事を書く。
  • 一旦、書いてから公開するかどうかを判断すれば良い(たぶん公開する)。
  • だから、まず文章を書こう。
  • 書いているうちに慣れるさ。

このように考えて、自分を邪魔するものを追い払い、どんどん前にすすみたいと思います。

まとめ

本書は、精神科医の記す「自分のために文章を書く方法」です。

ブログを書く人はたくさんいますが、みんながプロブロガーなわけではく、楽しみながらブログを書きたい人も多いはず。そんな「自分のために、そして楽しくブログを書きたい」という方に、文章の書き方を教えてくれる本です。

でも、楽しくブログ記事が書けないときもあります。そんな時、この本が「思考が淀んでいては、自分のためにも人のためにもならないよ」と気持ちを切り替えることを教えてくれます。ブログ記事を書けない自分の背中をぐいっと押してくれる本なのです。

なお、この記事は、本の第7章「文庫本の解説を書く」の中にでてくる定型的ひな形にそって書きました。

【文庫解説の定型的ひな形】

  1. ひとこと紹介文
  2. やや詳しく紹介
  3. 感想や個人的エピソード
  4. ご祝儀的なまとめ

定型的ひな形にあてはめるとこんな感じ。

  1. ひとこと紹介文 ← 冒頭文章
  2. やや詳しく紹介 ← 内容紹介
  3. 感想や個人的エピソード ←【感想】のところ
  4. ご祝儀的なまとめ ←まとめ

この記事は、この本を読まずしてできなかった記事ですね。この本に感謝。