2017/03/311 Shares

読書メモ「英仏百年戦争 」(佐藤賢一)

先日、ジャンヌ・ダルクの映画を見て面白かったので、彼女が活躍したという英仏百年戦争について書かれた本を読んでみました。

わかりやすい文章で書かれており、また、新書サイズで読み切るにはちょうど良い分量です。

なので、私のように西洋史を良く知らない人間でも、最後まで楽しく読むことができました。

「英仏百年戦争」作品概要

それは、英仏間の戦争でも、百年の戦争でもなかった。イングランド王、フランス王と、頭に載せる王冠の色や形は違えども、戦う二大勢力ともに「フランス人」だった。また、この時期の戦争は、むしろそれ以前の抗争の延長線上に位置づけられる。それがなぜ、後世「英仏百年戦争と命名され、黒太子エドワードやジャンヌ・ダルクといった国民的英雄が創出されるにいたったのか。直木賞作家にして西洋歴史小説の第一人者の筆は、1337年から1453年にかけての錯綜する出来事をやさしく解きほぐし、より深いヨーロッパ理解へと読者をいざなってくれる。
(表紙裏の説明より引用)

出版日: 2003/11/19
ページ数:237p
作者:佐藤賢一
出版:集英社

【目次】
序、シェークスピア症候群

前史 
一、それはノルマン朝の成立か
二、それはプランタジネット朝の成立か
三、第一次百年戦争

本史 
一、エドワード三世
二、プランタジネットの逆襲
三、王家存亡の危機
四、シャルル五世
五、幕間の悲喜劇
六、英仏二重王国の夢
七、救世主
八、最終決戦

後史 
一、フランス王の天下統一
二、薔薇戦争
結、かくて英仏百年戦争になる
(目次はAmazonより引用)

感想、気づき

百年戦争は、王位、領地、貿易などを争点に中世末にイギリスとフランスの間で行われた戦争で、前半はイングランドが黒太子エドワードの活躍で優勢、後半はジャンヌ・ダルクの奇跡でフランスが大逆転、というもの(超ざっくり!)。

世界史を学んでいなくてもわかりやすい

目次を見てわかるように、前史、本史、後史という章立てになっています。

区分 説明
前史 本史より××年程前から本史に至るまでの期間。
どうしてフランス王国とイングランド王国が戦うことになったのかが書かれている。
本史 百年戦争と呼ばれる時代()について書かれています。
後史 フランス勝利で終わった百年戦争の後、フランス王国、イングランド王国のそれぞれが国家になっていく過程が書かれています。

このように、百年戦争の前後もしっかりと説明があり、中世西洋の中での百年戦争の位置づけが良くわかる構成になっています。

これは、私のように学生時代に世界史を学ばず、西洋史の知識がほとんどない人間でも、わかりやすい構成です。

百年戦争の始まりは、タラちゃんとノリスケさんのケンカ

百年戦争は、フランス王位継承をめぐるイングランド王エドワード3世とフランス王フィリップ6世の争いがその始まりとのことです。

でも、本を読んでも、エドワード3世とフィリップ6世の関係がよくわかりませんでした。

カタカナ名は苦手なんです。なので、私なりの方法で解釈して見ました。

そしたらなんと、タラちゃんとノリスケさんの争いでした。

カタカナの名前は覚えにくい

王位継承問題なので各王朝の家系図がでてきます。

フィリップ6世とエドワード3世の関係図

  • フランス王フィリップ4世の3人の息子は直系男子を残さず早世したため、フィリップ3世の孫のフィリップ6世が王位を継いだ。
  • 一方、フランス王フィリップ4世の娘の王女イザベルは、和平のためにイングランド王エドワード2世に嫁つぐ。その息子のエドワード3世がイングランド王になる。
  • プランタジネット朝イングランド王国は、もともとフランス王国の豪族がイギリスを征服してできた王朝。王朝階級では言葉もフランス語を話していたらしい。もともとフランスの領土や王位への欲求が強い。
  • で、エドワード3世がフィリップ6世のフランス王位に異議を唱える。「俺こそがフランス王だ!」と。

うーん、カタカナの名前が、頭の中にスッと入ってこない!

フィリップ○世のように、同じ名前がいっぱいでてくるので、誰が誰かわからなくなります。

また、エドワード3世から見たらフィリップ6世は、お祖父さんの弟の子供という少し遠い関係なので、いまいち血縁関係の距離感がピンと来ません。

サザエさん一家に置き換えてみる

西洋の家系図を身近な例に置き換えたら理解しやすいと考えました。

誰もが知る身近な家族として、今回、サザエさん一家で考えてみました。

百年戦争の家系図をサザエさんに置き換えてみる

フランス王位という概念がないので、架空の会社の社長のイスの相続に置き換えて考えてみます。

  • 海浜物産は、磯野家が代々社長をしており、魚介を中心に大きな商いをしている優良企業。
  • 波平さんの直系男子が途絶える。波平の父・藻屑の孫であるノリスケが社長に就く。
  • 一方、波平の娘サザエさんの息子タラオにも、社長のイスの権利がある。
  • タラちゃんが言います。「ボクも、しゃちょうさんのイスにすわりたいんですぅ!」

ということで、タラちゃんがノリスケさんに喧嘩を売りました。

うーーん、骨肉を争う戦いになりそうだな。

サザエさんは嫁いだわけではないので、イザベルとはちょっとシチュエーションが違いますが、そこはご勘弁を。

*サザエさんの家系図はこちらのサイトを参考にさせて頂きました。

ジャンヌ・ダルクが短い

「神の遣いを称する少女。いわずと知れたフランスの救世主、ジャンヌ・ダルクの登場である。」

この説明でジャンヌ・ダルクの章が始まるのですが、ジャンヌ・ダルクが書かれている部分が短い!

p149-p164の、たった15ページしかありません。 1冊237ページなので、全体の6%(=15/237)です。

史実もでも活躍した期間が短いので、仕方ないですけど。ジャンヌ・ダルクが活躍したのは、百年戦争の内のたった2年ですからね。

サッカーで言えば、試合の後半に出てきて、2分で決定的な1点を取って、すぐに怪我して引き上げるような選手。

「試合に出てチームを勝利に導く」と神のお告げを聞いていれば、まさにジャンヌ・ダルクです。

まとめ

ということで、歴史本「英仏百年戦争」を読んだ感想でした。

ということで、今すぐ見たいという人は、kindleで読めますよ!

それでは。